「死刑島」3巻をお届けする。
死刑囚が記憶を奪われ、連行された死刑島にある密室。
徐々に記憶を取り戻す死刑囚達。
そして死刑囚達に制裁を与えるべく死刑執行人である「ハングマン」からの死刑ゲーム。
死が目前に迫っているヒリヒリ感よりも、死刑囚達がこの死刑島の目的を探るサスペンス要素が強い展開。
死刑囚一人一人の罪の内容も興味深い。
3巻は密室のドアは開いたのだが、どうにもできない絶望的な状況であることが判明する。
さらに死刑囚の一人、「藤嶺子」が過去を思い出し、自身の罪を語りだす。
読み出すと気になってくるストーリー展開がなかなか良い。
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これから先、ネタバレ部分を含みます。
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第3巻ネタバレ
死刑執行人であるハングマンに出された問題を解き、密室から出た死刑囚たち。一番先にトビラを開けたのは、死刑囚「野島康太」だった。
しかし、野島を筆頭に死刑囚が絶望する状況であった。
そしてその瞬間野島は記憶を取り戻す。
記憶を取り戻した「桐谷洋一」に、死刑囚の一人「藤嶺子」が、自分の事を知らないか聞いてくる。
どうやら、藤嶺子は記憶を取り戻した様子。
そして自分はワイドショーを賑わせた女だというのだ。
藤嶺子の回想が始まる。
幼い頃から容姿に恵まれず、日陰をあゆんできた嶺子は、SNS上でメイク美人の人気ぶりに心を動かされ、自分もメイクをすることで容姿端麗になれるのではないかと考える。
メイクをすることで偽りの自分を手に入れた嶺子。体型まではどうにもならなかったが、顔はごまかす事ができ、彼女のSNSは見る間にフォロワーで溢れていった。
ある日一人のフォロワーと会うことになったのだが、待ち合わせ場所で本当の嶺子を見た男は一目散で逃げていく「やっぱり見た目がすべて」・「SNS上だけなんてもう嫌だ」・「本当にかわいくなりたい」と強く思う嶺子。
決意した嶺子は整形を繰り返し、体型改善を図り、都心の高級クラブでナンバーワンのホステスとなったのだ。
そして、彼女は資産家と結婚をする。
資産家は高齢であり、結婚後間もなく亡くなるのだが、遺産をもとにクラブのオーナーになった嶺子は、店の常連であった別の資産家と再婚する。
その結婚生活において嶺子は事件を犯す。
嶺子は冤罪だと思っているようであり、自分はやっていないと主張していた。
(4巻につづく)
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第3巻感想
第3巻のスポットは美人な「藤嶺子」。名前はともかく彼女はこれまでの死刑囚と違い、自分は冤罪だと主張しており、他の死刑囚と異なる立ち位置の様子。彼女がもし本当に冤罪だとすると、彼女に罪をかぶせたのは果たして誰なのかとの考察もできて面白い。
死刑囚の中山康太も記憶を取り戻したようであるが、今回は彼の回想シーンはないことから、回想は一人1巻であろう。次巻は誰の過去が明かされるのか楽しみである。
きっと重要な役目を担うと思うのであるが、第3巻ではハングマンは一度も登場しない。もしかしたら嶺子を陥れたのはハングマンかもしれない。などと考えてしまった。
死刑囚の過去を回想する巻が少し続くかもれないが、現実の描写と個人の回想描写が上手く並行して描けており、先が気になる展開であることは間違いない。
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