「死刑島」4巻をお届けする。
連行されてきた死刑囚たちは、徐々に記憶を取り戻してきた。
桐谷、藤は自らの犯した罪を告白し、野島は告白こそ無いが、記憶を取り戻した。
死に直結するようなゲームは行われているのだが、まだ誰も死んでおらず、死刑執行には至っていない。
ハングマンによる死刑執行はいつになるのか?
死刑囚全員の記憶が取り戻されないとストーリーが進まない様子であれば、もう少しペースアップして欲しいところだ。
4巻では野島の過去が明かされるが、過去が明かされた後に密室に異変が起きる。
テンポアップしていく展開に目が離せない。
これから先、ネタバレ部分を含みます。
この作品が気になった方は、無料試し読みしてはいかがですか?
第4巻ネタバレ
冒頭、トイレで同級生2人から激しく暴行を受ける野島康太の回想からスタートする。
どうやら康太は学生時代イジメにあっていたようだ。
クラス内でもイジメの対象として気持ち悪がられており、康太の居場所は無い。
イジメの加害者から万引をしてくるように脅かされる康太。
渋々万引を実行するが、警官に捕まってしまう。
親からも失望され、この事件が引き金となり引きこもりになってしまう。
そんな康太を唯一救ってくれたのは、読書だった。
特に彼の心を救ってくれたのは30歳で夭折した詩人中原中也であった。中原中也のように何かを残したい。そして30歳で死のう。
そう決めて彼はネット小説を書き、投稿したのだった。
10年の時が経ち、康太は外に出て本屋で働くことにする。
しかしそこの本屋も閉店が決定してしまうのだが、閉店前に大量に入荷した人気小説の表紙を見て、康太は驚愕する。
この事件は康太が死刑囚になるきっかけとなる。
自分をイジメていた同級生に対して康太は向かっていく。しかし返り討ちに合い、「お前は昔のように大人しくイジメられてりゃいいんだよ!」との暴言をあびせられる。
康太の心が切れ、そこから先は何も覚えていないほどの暴挙に出てしまう。
そして康太は死刑囚となった。
場面は密室に戻り、康太は自身の罪を語った後に、ペットボトルの水を飲もうとする。
それは、当初ハングマンより与えられた、毒が入っている可能性がある水なのだ。
康太は話を聞いてくれた仲間に感謝を伝え、自分が死ねば安全な水がわかるとペットボトルに口をつける。
「さよなら」
康太が水を飲んだ後、場面は変わる。
康太が水を飲んだ後、死刑囚全員が意識を失う。
そして意識を取り戻した場面から描写が始まる。
そして康太がいないことに気がつく。
康太が死んだかもどうかもわからないが、もし死んだとしても遺体が無いのだ。
そして死刑囚の一人である流川巧がつぶやく、「これが死刑執行のやり方なのかもな。」
(第5巻につづく)
実際の作品は無料試し読みすることができます。
第4巻感想
今回のメインストーリーは前巻で記憶を取り戻した野島康太だった。
彼はイジメにあっており、辛い記憶を持っていた。
それにも関わらず、彼は事件を起こしてしまう。
それほどまでに彼のプライドが傷ついた瞬間なのだろう。
また、その康太が自ら死を選ぼうとするという展開で、回想から現実に戻されるのであるが、現実のストーリーが少し進んだ感がある。
野島康太は本当に死んだのかとても気になるのだが、死んでない線が強い気がするのは私だけか。
今後の展開としては、他の死刑囚で記憶を取り戻していないメンバーの過去と、密室での今後の動向であるが、第5巻に期待しよう。
続きが早く見たい作品である。
コメント