君に愛されて痛かった1話をお届けする。
すでにヒットしており、かなりのファンがいるこの作品だが、食わず嫌いな私として、なかなか読む踏ん切りがつかずにいたのだが、1話無料で読めたこともあり、さらりと読んでみた。
正直、もっと早く読んでおけば良かったという感想(笑)
最初っから引き込まれる感じがヤバイ…。
バイオレンス系だが、主人公の心の描写がとても丁寧だと思う。
思わずそんな気持ちになるんだろうなという共感を得る作品。
まだ読んだことないという人の参考になればと思い、スタートする!
これから先、ネタバレ部分を含みます。
この作品が気になった方は、無料試し読みしてはいかがですか?
1話ネタバレ
冒頭、倒れている血まみれの女子高生。
目から涙を流しながら、一点を見つめている。
瞳孔は開いているだろうか。
女子高生のかなえは、高校ではそこそこ1軍のポジションにいた。
今日の昼も皆で昼食をとる。
陰キャ女子が自分の席に座っているかなえのグループに席を返すように言う。
「うるせーブス!!」
陰キャを見下しているかなえのグループ。
かなえも陰キャの空気の読めなさに同調するように、仲間から求められる。
「人権なんて陰キャにはないよ」
そう言いながらも、心は押しつぶされそうになる。
かなえは、中学時代に壮絶なイジメにあっていた。
思い出したくなくても思い出してしまう悲惨なイジメ…。
もうあの頃には戻りたくないと心で叫びながら、今日もグループに付き合って他校の男子高生とカラオケに行くグループについていく。
盛り上がるグループを遠目で見ながら住む世界が本当は違うことを痛感するかなえ。
リーダー格の一花(いちか)の視線に気づき、ブサイクな男の相手をする。
嫌われないように、イジメられないように…。
過去のイジメをふとした瞬間に思い出してしまうかなえは、自分の居場所はココではないことを自覚しているし、耐えられなかった。
部屋の外で落ち込むかなえを見つけた寛(ひろし)は優しくフォローしてくれた。
かなえは部屋に戻ると、先に帰ると告げる。
後を追うように寛も部屋を出るのだった。
かなえに追いついた寛だが、かなえは寛とは住む世界が違うと思っており、足早に帰ってしまう。
かなえは自分が必要とされたいし、必要としてくれる人と一緒にいたいという脅迫めいた観念に支配されている。
「かなみです」
一人のサラリーマンのオヤジに話しかけるかなえ。
そう、かなみは援交をしている。
ホテルに入ると、オヤジがかなえを求めてくる。
いつもこんな事をしているのか聞いてくるオヤジにかなえはオヤジこそ何でこんなことをしているのか聞く。
脅迫でもない、軽蔑でもない、人を殺すような顔で…。
セッ○スが始まる。
かなえは援交している自分が心地よかった。
肉体的な快楽ではなく、精神的安堵感だ。
(私を必要としてくれるから…。私に優しくしてくれるから…。)
過去のトラウマから逃れるためには、自分が求められる場所に自ら身を置かなければならなかった。
そうでもしなければ、自分が生きているという実感すら沸かなかった。
高校生とも思えぬような激しいセッ○スを提供するかなえ。
帰り際、オヤジと手をつなぎ、甘える。
知らない人だからこそできる、かなえの行動だった。
また会うことを約束したその時…。
「かなえちゃん?」
手をつかまれて一気に引っ張られるかなえ。
寛がかなえを見つけたのだ。
近くの神社に走り込んだ二人…。
寛は何していたのかをかなえに聞いた…。
(2話につづく)
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1話感想
引き込まれるなぁ。
壮絶なイジメを食らっていたからこそ、もう二度と同じ境遇を味わいたくないという思いが、かなえの人に嫌われたくない、必要とされたいという強烈な固定観念を作り出した様子が伝わってくる。
冒頭の血まみれで倒れている女子高生は、かなえなのだろうがどうしてそうなったかは、到底現時点では推測すらできない。
ただ1話で感じたことは、異常な観念に支配されたかなえが、どう転落していくのか?
タイトル通り、君に愛されて痛かったというのは、本来であれば愛されるはずのない自分を愛してくれた誰かに向けられたものなのか?というくらいだろう。
プロローグである1話だけで、一気に読みたくなるテイストは感じられる作品である!
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